2013年4月14日日曜日

2013年淡路島地震は南海トラフ地震の前兆か?

このたびの淡路島の地震は、学者のあいだで「阪神淡路大地震の余震」「南海トラフ地震の前兆」など、さまざまな意見がでているようです。

阪神淡路大地震を持って、西日本が地震の活動期に入ったと指摘する研究者グループがあります。実際のところはどうなのでしょうか?

「地震の日本史」という本で、M8〜9クラスの地震とその前兆・余震が繰り返されることを指摘している、寒川先生の説をご紹介したいと思います。

今日の動画(私の手製)は、最近の講演でときどき使うKeynoteファイルの一部を動画にしてYouTubeにアップしてみました。ページめくりが少し早すぎるかなと思いますが、みなさまのご意見を伺いたく。今後、このような動画を増やしていこうと考えています。



中国H7N9短信 北京の患者の治療過程

中国・北京のH7N9患者の回復過程が配信されている。症状が出てすぐに抗ウィルス剤の投与を受けたことにより、早期回復していることがうかがわれる。H7N9のケースで事業継続策を考える上での貴重なヒント。


・女児は11日木曜日の朝に、インフルエンザの症状=発熱、咳、喉の痛み、頭痛などを示した。

・女児は11日木曜昼頃に首都医科大学附属北京地坛医院に連れて行かれ、肺への感染により入院した。タミフル投与、静脈持続点滴などの治療が行なわれ、同日夜には症状が悪化したためICUに入った。

・酸素吸入その他の処置により、呼吸の逼迫や咳などの症状が大幅に緩和され、40.2度あった熱も37度まで下がった。

この記事で書かれている「肺への感染」が、H7N9ウィルスの感染を現しているのかどうかについて、詳細な記述がないためわからない。東大・河岡先生のセミナーで伺った話だが、季節性インフルエンザが肺感染することはなく、強毒性インフルエンザのひとつの指標になるとのこと。今後も注意して状況を見て行きたい。

中国H7N9短信 北京初の患者の様子、49ケースの感染ケースが確定など

中国の国家衛生家族計画委員会発表によれば、12日17:00pmから13日17:00pmまでに新たな感染6ケースが加わり、合計の感染者数が49ケース(うち死亡例11ケース)になった。

新聞「国家卫计委:H7N9病例仍然散发 未现人传人证据」

そしてこれは北京初の感染者、7歳の女の子の治療の様子。こんな写真が出てくるところがやはり日本と違うところ。

中国H7N9写真 患者の治療中の様子など、人民日報より。


「こういう写真は、日本の報道では見ることは出来ないだろうなぁ」と思った写真を転載させていただきます。リンク元は人民日報です。本当は画像リンクで引っ張りたかったのですが、なぜかブログが表示してくれないので、ダウンロード画像を転載です。

http://j.people.com.cn/mediafile/201304/10/F201304101441131838827868.jpg
N7N9患者の治療の様子。日本だったら個人情報とか
肖像権とかの問題で開示されない画像と思われます。
治療に当たっている職員は厳重な防護をしています。

http://j.people.com.cn/mediafile/201304/10/F201304101441131103684931.jpg
防護服は厳重ですが、隙間から渡している書類はだいじょうぶ?
手袋に付着したウィルスをそのまま渡していないかとか心配になりました。

http://j.people.com.cn/mediafile/201304/10/F201304101441132144229131.jpg
防護服をきちんと隙間なく着る技術をガウニング・テクニックと言います。
衛生の専門家によれば、実は着ること=ガウニングより、危険なウィルス等で
汚染された防護服を脱ぐこと=デガウニングの技術のほうが難しいとのこと。
この手順書も、いちおう全て書いてあるようですが、肝心のスタッフが、
デガウニングの技術を持っていないと、ただの気休めの張り紙になります。
だいじょうぶだと思うけど、上の写真を見ちゃったので、ちょっと心配・・・。

http://j.people.com.cn/mediafile/201304/10/F201304101441132503919429.jpg
H7N9患者の、肺のCTスキャン画像を見る医師。
これもなかなか日本ではお目にかかれない画像です。

以上。

2013年4月13日土曜日

中国H7N9短信 北京で初の感染者確定、現在44人の感染者(11人死亡)

今回の内容は、私が中国の報道に気づくのが遅かったので、既に日本のメディアからも報じられています。

読売新聞「H7N9型鳥インフル、北京で初の感染確認」

・中国の北京市は13日午前、同市内で入院中の7歳の女児が、鳥インフルエンザ(H7N9型)に感染していたと発表した。
・女児は同市東北部・順義区在住で、両親は生きたニワトリなど鳥類を販売する仕事に就いていた。女児は11日に発熱などを訴え、12日午後に感染の疑いがあると診断されていた。容体は安定しているという。
・これまで感染者は上海市周辺の中国東部に限られていたが、首都北京で初の感染確認となった。中国の感染者は、死者11人を含む計44人となった。

早期に治療が受けられているので、抗インフルエンザ薬に効果があったと思われる。最初のうちは30代、40代の罹患者だったのだが、さいきんの報道では新たに見つかるケースのほとんどが高齢者で子供が少しいるという状態。


2013年4月12日金曜日

中国H7N9 対策策定にあたって:2009パンデミックとの共通性

私が代表を勤める(株)レックスマネジメントでは、2008年秋に新型インフルエンザ対策の策定をお客様から依頼され、以後、国立感染症研究所の研究者や大学の先生に教えを乞いながら勉強、研究、対策作りを行なってきた。

当初は何をどうしたら強毒型H5N1新型インフルエンザに対抗できるものやらさっぱりわからず、しばらく暗中模索していたのだが、あるときパッと眼前が開けるようにモノゴトの整理がついて、楽ではないものの対策は可能だということに気づいた。インフルエンザはけっきょくというか、やっぱりというか、どこまで行ってもインフルエンザである。

そのときの経験から言うと、今回もやるべきことに本質的な違いはないと考えている(対策レベルの違いは当然ある)。今日からそれをお伝えして行こうと思う。

まず最初に、A/H1N1パンデミックとの、現時点での共通性について述べておきたい。

共通点(1):初期の感染は十分な治療が受けられない層で起こる。

前回パンデミックの時は、初期の感染はメキシコシティーの貧困層のなかで起こった。メキシコは国民全体の約50%が年収200ドル以下、さらにその半分の人たちは年収100ドル以下の収入しかないと言われている。

これらの人々が仮に病気になって高熱を出しても、毎日の収入が途絶えるとその日から家族が飢えるので仕事に出続ける。しかも病院に行くと数百ドルの治療費がかかるので、まともな治療も受けずに、である。A/H1N1のときに、初期の患者の死亡率が高いのはこういう背景があった。発生当初の死亡率は95%と言われている(文藝春秋2009年7月号記事より)

日頃から栄養状態が悪く、免疫レベルが低いであろうと想像される人々が新しい型のインフルエンザに罹ったらどうなるか、素人でも想像がつく。そして実際その通りになった。広まるにつれて政府も広報に力を入れ、人々は病院に行くようになり、全世界に広まるころには死亡率は通常の季節性インフルエンザよりも低くなっていた。

さて、今回はどうか。

関西福祉大学・勝田先生のブログ「H7N9型鳥インフルエンザ感染者の社会的属性から見えてくるもの」から引用させていただく。
”今回感染者となっている階層は、症状発生時の認識・知識レベルにも懸念すべきものがある。上海での死亡患者が働いていた市場で取材した毎日新聞記者は「鳥インフルエンザなんて名前を聞いたこともない。風邪をひいて死ぬなんてよくあることだ。心配なんかするわけがない」という信じられないコメントを引き出している。さらに、これらの層は医療機関に受診してもわれわれの想定外の扱いを受ける可能性もある。たとえば上海第五人民病院での死亡例では、最初の2日間、生理的食塩水の点滴だけで帰宅させられている。
ここ数日、中国国内の報道を読んでいると、同様にかなり詳しい罹患〜治療の過程が書かれているものがあるのだが、ほぼ同様である。

熱が出ても病院に行かない。高熱が出て2日も3日も経ってタミフルも効かない時期になってようやく病院に行き対症療法を受けて帰って来る(おそらく解熱剤か何かをもらうのだろう)。その後、重篤な肺炎を起こして呼吸が切迫したあたりで初めて集中治療室に担ぎこまれるが手遅れ。そのような記事をいくつか読んだ。これが共通点その(1)。


共通点(2):感染症対策は後追いになりがち

今回もPreventive・防御的なアクションを取ることの難しさが浮き彫りになっているように思う。いまのところヒトヒト感染が起こってないとのことだが、だとすれば感染源はほぼ豚か鳥に限られるので、そこで初期の対策はいろいろやれたはずなのだ。

感染症は広まってみないと現象として捉えられない。その難しさは重々承知している。中国政府の対応を批判するのは簡単なのだが、それでも「何かがわかった」時点で取れる対策はどんどん実施していかないと、どんどん後手に回ることも事実である。

WHOは中国政府の対応を「模範的」と持ち上げていたが、反面、情報統制にやっきになる政府のアクションも徐々に報道が増えてきている。対策の後追いはしばらく続くだろう。


そして以下は推測:

推測(1)軽症患者がたくさんいる。

おそらく軽症ですんだ患者がたくさんいる。医療費にお金を払わない/払えない層で起こっているという事実を鑑みるに、病院に行くこともなく治ってしまった人が相当数いるはずである。実際前回のパンデミック発生時のメキシコでも、同様の事情で実際の患者は数倍〜10倍いるだろうと指摘する専門家は多くいた。

推測(2)動物の間で感染拡大している。

ヒトヒト感染が起こっていないのに、これだけ広範囲・散発的に感染が起こると言うことは、かなりの家畜・家禽・野鳥のあいだでH7N9が感染拡大しているだろう。

感染ルートをたどり、感染源を突き止め、それを封じ込めるためのProactive・率先した行動を起こす。初期のアクションについては、やはり感染症対策の原則が重要であることがわかる。

さて、現状がある程度わかったところで、われわれは次に何をすべきか?

また時間を見てアップします。