2012年11月5日月曜日

明日はもっと悪くなる

昨日のこと。いま一緒にビジネスを企画している人に、なぜそんなに仕事ばかりしているのか?的なことを聞かれて以下のように答えた。

これが私の仕事の原動力(の一部)だ。私が抱えている危機感といっていいと思う。

(1)明日はかならず今日より状況が悪くなる
会社を創る以前から、たしかここ約8年ぐらいのあいだ、常に念頭から離れないテーゼがこれだ。いまさら言うまでもないことだが、ITとネットがもたらしたビジネススピードの激的な加速と世界的な経済ブロック化の潮流によって、この世の中で安泰なビジネスなど何一つなくなったと考えている。

私は約5年前まで東証一部上場企業の社員だった。その頃いつもあるイメージに囚われていた。「今年はまだ安定している会社が、翌年急に倒産間際まで追い込まれるような状況になる、そのうちきっとなる、たぶんあと3、4年後ぐらい、早く自分の場所を作らなきゃ」

何もせずに座っている限り、明日が今日より楽になることは絶対にないと信じている。


(2)世界レベルのアウトプットが出せない知的生産者は淘汰される
世界中で、若くて頭のいい人たちが必死に勉強している。印度人も中国人も一族の資金を結集して子供たちを留学させて世界最高の教育を受けさせている。そういう柔軟性も根性も教育レベルもまったく段違いの人材と勝負して勝てなければ生き残れない。

残念ながら私はそのレベルの教育を受けていない。いちおう国内のそれなりの偏差値の大学は出ているが、まあ世界レベルで比較したら居ないも同然だ。

さいわい、私はどうやら「視点」を持っているらしい、ということにあるとき気づいた。他人と同じ状況を見ていても私には違うものが見える。混沌とした状況を総括して次の課題を切り出すことにかけてはそれなりの能力がある。これは勉強した結果で持てる能力とは別のものだ。他人が持っていない能力に磨きをかけて闘うしかない、と考えている。


(3)世界をマーケットにできないビジネスは外資に潰される
まあこれは説明する必要もないでしょう。経済ブロックの域内では参入障壁が一切なくなるわけだから、資本力も人材もスピードも段違いの奴らが入って来たら、同じことをやってて勝てる訳がない。携帯電話が良い例。逆にこっちから攻めて出るぐらいの規模感と商材がなければ生き残れない。

こういう書き方をすると、なんだかジメジメめそめそハラハラどきどきしながら仕事してるようにも見えるけどむしろ逆。創造性を求められる仕事というのは、そう出会えるものではないので毎日がとても楽しい。

これが自分に合っているスタイルなんだろうなと思う。

結論:死ぬほど仕事してようやく現状維持が可能。そして世界にない新しいビジネスモデルが軌道に乗ったときに初めて少し楽ができる。

つまり、いま現在の私は、現状維持の仕事と世界で闘うための仕事を同時に進めないといけないフェーズだと考えている。遊んでる暇なんかない訳ですよ。因果な商売ですね、ベンチャーって。

2 件のコメント:

  1. 私も上場企業にいて、飛び出た経緯、価値観も近いです。だから、座を組んでいるわけですが。
    で、私は、学生時代、ある信念・価値観で、ある会社に入り、ヨミ通り、今もその会社は、そこそこ戦えています。
    結果オーライです。が、実は、かような、運、たまたまも手伝わないと、最早、生き残りは厳しい。
    そのスタートラインの資格者には名を連ねるために、頑張っているような。
    ちょっと弱気ですが、頑張った先の結果なんて、どうにでもなれ! とにかく、資格者でいることだけで、精一杯だす。
    さぁ、まだまだ、資格だけは離さないぞ~♪

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  2. なりたろうさん、コメントありがとう。

    スタートラインの資格者に名を連ねる、とは重い言葉ですね。

    おっしゃるとおり資格者であり続けることだけでもたいへんですが、資格者であることは最低ラインであって、成功者はその何十歩も先に居るわけです。

    おかげさまで創業から数えて第6期の終わりが何とか視野に入ってきました。創業5年以内に廃業する会社が80〜90%だとか。序二段ぐらいにはなれた気がしていますが、大関も横綱も遠すぎてまだまだ見えません。

    精進あるのみ!

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