2013年4月18日木曜日

中国H7N9続報 感染例が82ケースに、家禽と接触の痕跡がない患者、遺伝子解析結果など

感染例が82ケースに増加しています。

四川在线「中国已确诊82例H7N9禽流感病例 其中死亡17人

  • 中新社北京によれば、17日夜時点の感染者は82ケースに増加した。
  • うち死亡例は17ケース。
  • 国家衛生家族計画委員会によればヒトヒト感染の兆候はいまだにない。


家禽類に接触した痕跡がない患者が約40%いるとの報道が出て来ました。家禽と接触していないのであれば、空からウィルスが降ってきたのでしょうか。国家衛生家族計画委員会の発表とは真っ向から対立する内容です。

ロイター通信「中国の鳥インフルで死者16人に、政府は感染拡大の可能性を警告


  • 新京報は17日、中国疾病予防制御センターの曽光・首席専門家(流行病学)が感染者の約40%が家禽類に接触した明らかな形跡がないと指摘したと伝えた。「どうやって感染したのか謎だ」との発言が引用されている。
  • 中国疾病予防制御センターはロイターの取材に対してコメントを拒否した。

今後の報道で事実が明らかになることを期待します。


続いてNIIDが掲載している論文の翻訳より。H7N9の遺伝子解析の結果、ヒト感染がしやすい変異が起こっていることが判明しています。

[論文要約] 2013年2月から4月にかけて中国の患者から分離された新種の鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスの遺伝子解析

  • HAレセプターのヒト型受容体への結合性と、哺乳動物における効率的な複製をおそらく制御しているPB2 RNAポリメラーゼサブユニットにおけるいくつかの特徴的なアミノ酸変化(特にE627K)は、新型ウイルスがパンデミックになる可能性があることを強調するものである。


ソースに添付されていた表の文字が小さくて見づらかったので、一部の内容を転載しました。説明をご覧いただければわかるが、ヒトのレセプターに結合能力が上がる(ヒト感染しやすい)、NA阻害剤への感受性が上がる(タミフルが効きやすい)、マウスへの病原性が上がる(哺乳類で重症になりやすい)、などの特徴が見て取れます。

今後も変異がトラッキングされると思いますので、結果を注意深く見守りたいと思います。

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