2013年4月15日月曜日

中国H7N9 WHOのリスク評価、OIEのQ&A、CDCの中国旅行者・居住者向けガイド

まずはWHOのリスク評価について簡単な要約。

インフルエンザA(H7N9)ウイルスのヒト感染に対するWHOのリスク評価

  • 人に感染しやすい遺伝子変化があり、他の鳥インフルエンザより感染しやすい可能性がある。
  • タミフルとリレンザに感受性があり(効きやすい)、抗ウイルス薬のアマンタジン、リマンタジンには抵抗性がある(効きにくい)。
  • 鳥に対しては低病原性である。中国での家禽への感染は確認されているが、その他の飼育されている鳥類、野鳥、豚などの自然宿主に関しては解明されていない。
  • これまでのところ、このウイルスは家禽の重篤な病気との関連はない。
  • 持続的な人から人への感染例は見つかっていないが、家族クラスター(患者の集積)の事例が2例あり、濃厚接触のありうる家族間や医療従事者に起こり得ることを示唆している。
  • 本事例に関する入国での特別なスクリーニングの勧告や渡航、貿易の制限を推奨するものではない。

現状、国内では情報収集を除いて特別な対応を必要としないと思われる。後述するように企業・組織のメンバーが中国に渡航するに際しては、注意喚起が必要と考えられる。


次にOIEのQ&Aより。「インフルエンザA(H7N9)に関する質問と回答


  • 野鳥はインフルエンザA(H7N9)ウイルスのキャリアとして同定されているのでしょうか?
  • 野鳥は、通常、呼吸器や腸管で鳥インフルエンザウイルスを運ぶことができますが、野鳥自身は一般的に症状はありません。野鳥は、鳥インフルエンザウイルスの感染源および媒介動物として歴史的に知られています。世界中で、野鳥における鳥インフルエンザウイルスの発生と特徴を監視するためのサーベイランスの仕組みが設置されています。野鳥では、通常の検査において、特定の種類のインフルエンザウイルスを見つけるための作業が行われています。これらのウイルスの大半は野生の鳥においては症状を起こしません。今日まで、インフルエンザ(H7N9)は、中華人民共和国の野鳥からは発見されていません


鳥には低病原性のため、キャリアの特定が難しいということ。これはつまり、対策が困難であることを示している。


続いてCDCの中国旅行者・居住者向けガイド。「What can travelers and Americans living in China do to protect themselves?


  • 鳥、豚、その他の動物に手を触れてはいけません。
    • 生死にかかわらず動物に手で触れてはいけません。
    • 生きている鳥、鳥市場からは遠ざかってください。
    • 動物のいる市場や農場に行くことは避けてください。
  • 完全に火の通った食品を食べてください。
    • 鳥類の肉は完全に火が通っていて(ピンク色の肉は避ける)熱い状態のものを食べてください。
    • 卵は固茹でを食べてください(半熟は避ける)
    • 動物の血が混じった飲食物は避けてください。
    • 路上の屋台での食事は避けてください。
  • 衛生状態を保ってください。
    • 手を頻繁に洗いましょう。
    • 手が衛生的だと確信できないときに、目・鼻・口に触ってはいけません。
    • 咳やくしゃみをするときは、ティッシュか袖で口・鼻を覆いましょう(手で覆ってはいけません)
    • 具合の悪そうな人と、ハグ、キス、カップや食器をシェアすることは避けましょう。
  • 中国旅行中あるいは旅行後に具合が悪くなったら医師にかかってください。
    • 熱、咳、呼吸の切迫などで具合が悪くなったらすぐ医師にかかりましょう。
    • 完全に回復するか、医師の許可が出るまで帰国は延期してください。
    • 帰国後に熱、咳、呼吸の切迫などで具合が悪くなったら、すぐ医師にかかり、中国の旅行から帰国した旨を告げてください。


以上。

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